目が覚めたレイラの視界に一番初めに映ったのは、真っ白な天井と心配そうに見下ろすリクの顔だった。
「ここは?」
「病院。」
そう言うリクは、眉根を寄せたままレイラの頭に手を置いた。
「ごめんなさい。」
「レイラが謝ることはないよ。」
「でも、心配かけたから。」
「昔のこと、思い出したんでしょ?ごめん、レイラの過去のこと、ちょっと気になって調べちゃった。
レイラ、ちゃんとお医者さんに話聞いてもらおう。」
「いや。」
「でも、また同じようなことが起こったら。レイラ一人で抱えきれないんだよ。だから、」
「大丈夫。だって、ほら、私、泣けたもの。」
そう言うレイラの瞳から、また一粒、雫が頬を滑っていく。そう、自分は泣けた。
花蓮が目の前で壊れた時も、ママやパパとお別れを言った時も泣けなかったのに。
どうしてだろう。頭の上にある温もりに促されるようにレイラの瞳から雫が零れていく。
「それに、あの人達は、花蓮を殺そうとするもの。」
「何言って。」
「本当のことよ。前だってそうだったもの。花蓮は悪くなんかないのに。
私をいつも助けてくれる、守ってくれるのに。花蓮がいることは悪い事なんだってそればかり言うの。
絶対に嫌。ねぇ、リク、家に帰ろう。二人きりでいたいの。」

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